November 16, 2007

Who's this lady? Siti Nurhaliza!



Do you know about this lady? This is Siti Nurhaliza, my favorite pop singer from Malaysia.
I took these photos of the paintings at Central Market/Pasar Seni in Kuala Lumpur 2 years ago.
One is a painting of dancing Siti, and the other is Siti wearing tudun(scurf).
皆さんこの女性をご存知ですか?彼女の名はシティ・ヌルハリザ、マレーシアのトップシンガーです。
私がマレーシアにハマった理由の一つが彼女の歌で、彼女の曲の歌詞を日本語や英語に翻訳する作業を通じてマレーシア語の勉強もしています。
上記の写真2枚は、2年前にクアラルンプールのセントラルマーケットで撮ったものです。土産物屋に混じって油絵を描いていた人がいたので、その人の作品と、もう1つは同じくセントラルマーケットの2階にある錫製品店で撮ったものです。
写真額縁はマレーシア・セランゴール特産品の錫製です。多分店主がシティのファンなのでしょう。

She was born in 1979 in Pahan state, and brought up by musician parents.
Her debut album "Siti Nurhaliza" was released in 1996, and she has been a top musician in Malaysia since now.
In 2007 she married to Datuk Khalid. Now she is Datin Siti Nurhaliza.
Now Datuk Khalid became all Malaysian guys' enemy....!

彼女のプロフィール: 
フルネームはシティ・ヌルハリザ・ビンティ・タルディン(Siti Nurhaliza binti Tardin)、1979年1月11日にマレーシアはパハン州トュルムロー村に、7人兄弟の4番目として生まれます。音楽家の両親の影響で、10歳代の頃から歌手を志望し、地元の歌唱コンクールで優勝したのをきっかけにスカウトされ、プロデビュー。
1996年にデビューアルバム「シティ・ヌルハリザ」をリリース以来、現在までずっとマレーシア、および隣国ブルネイやインドネシアなどでトップ路線を走り続けてきました。
2007年、ダト・カリッド氏と結婚。何と20歳年上で、シティを第一夫人に迎えるために離婚し、間髪入れずにシティと結婚。当時二人の結婚式・披露宴は全国テレビ生放送され、マハティール前首相やインドネシアのトップ歌手・クリスダヤンティまで駆けつけたほどのド派手なものでした。
ピンク色のウェディングドレスに身を包むシティが、自身が作詞した曲「Cerita Cinta(愛の物語)」を歌う場面は圧巻です。
話を本題に戻します。
民族はマレー系。(報道を見る限りは)非常に敬虔なイスラム教徒で、数回家族とともに聖地メッカ巡礼を経験済み。
好きな飲み物はお白湯(air suam)と、南インド風もといマレーシア風ミルクティー(Teh tarik)。

I'm going to show you the lyric of my favorite Siti's song, "Balqis" from her album "Sahmura" released in 2000.
I'm studying Bahasa Malaysia(Malay language) by translating her songs by myself, or with my friends' supports. Terima kasih(Thank you)!
Let's study Bahasa Malaysia and Islam together.
Here we go!
これから少しずつ、シティの魅力と歌の歌詞を紹介していきたいと思います。
まずは彼女の2000年ミレニアムにリリースされたアルバム「シャムラ(Sahmura)」
から、『バルキス(Balqis)』という曲の日本語・英語歌詞を紹介します。
バルキス、またはビルキースというのは、いわゆる「シバの女王」の名前で、旧約聖書やコーランにも登場する、ユダヤ・キリスト・イスラム教社会で有名な伝説的人物です。
彼女は現在の中東イエメン、またはアフリカのエチオピアのサバァという土地に、非常に繁栄した国を治めていましたが、ある日彼女の国が太陽を拝んでいることを知った預言者スレイマン王(旧約聖書ではイスラエルのソロモン王のこと)が、全知全能の神を差し置いて太陽など拝むとは罰当たりであるという手紙を女王へ寄こしました。
しかし女王はスレイマン王に従わず、しかし手紙を無視するのも危険なので、贈り物を山ほどスレイマン王へ届けて様子を見ることにしました。
スレイマン王は、「何だこれは?私への贈り物はアラーの恵みだけで十分。なぜ彼女はそれが判らないのだ。」
スレイマン王は精霊に命じて女王の玉座を盗ませ、玉座の飾りを変えてしまいました。
女王はスレイマン王のところへ赴くと、スレイマン王は「これはあなたの玉座かな?」と訊きます。しかし女王はアラーを信仰していないので、それが自分の玉座とは判りません。
女王はまるで鏡のように磨きぬかれたスレイマン王の城の床を水面だと勘違いし、ドレスのすそをたくし上げて床を歩くと、スレイマン王は女王の滑稽さを笑います。
女王は赤面し、「私は今までアラーの恵みを感じぬまま生きてきたゆえ、このような無様な真似をしてしまいました。これからは私もアラーを信じ、ただ真実のみを見て生きていこうと思います」と、信仰告白、つまりイスラムに改宗したのであります。
以下の曲「バルキス」は、繁栄した大国の女王ですら帰依したイスラム教の素晴らしさ、スレイマン王とアラーの神の慈悲深さを讃えた歌です。
ちなみにスレイマン王とシバの女王の間には、ひそかなラブロマンスが生まれたという伝説があるとかないとか・・・・。
ごめんなさい、私ブログに動画を埋め込む方法知らないんで、とりあえずリンクだけ貼っときます。
YouTubeなどの動画集サイトで"Balqis, Siti Nurhaliza"と検索すれば、シティのPV「Balqis」が見られます。
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Title: Balqis
Album: Sahmura/2000
Music: Pak Ngah
Lyric: Hairul Anuar Harun

Biar apapun rupa yang terbina
whatever shape that was built
どんな影が立ち込めても

Takkan gentar merata kehendaknya
never afraid of his will
決して神の意志を恐れることはない

Terdengarlah bicara tersembunyi
suddenly hear the hidden word
突然隠された言葉を耳にした

yang tertebar di langit dan bumi
which is scattered in the sky and on the earth
空と大地に飛び散った神の言葉を

Siapakan yang mampu menundukkan bayu
Who can defeat the breeze
誰がこの風をかき消したのか

Siapakan yang tahu hanya ada satu
Who knows that there is only one
誰がこの世に唯一無二のものが存在すると知っているのか

Tirat titah setia ratu kota
The way that is asked by the queen of the city
とある街の女王が示した道

Lirik mata yang cerah bak sahmura
The eyes glance as bright as sahmura
シャムラ(ペルシャの詩人?)の如く輝く目

Singgahsana nan indah tak terperi
How beautiful the castle of King Solomon is
あまりにも美しいスレイマン王の城

Halus santunnya wajah bidadari
Very polite and decent with a beautiful face like an angel
彼は天使のように美しい顔を持ち とても上品で気高い

Siapa yang mengutus surat keajaiban
Who is sending a miracle letter
誰が奇跡の手紙をよこしたのか

Siapa yang menghunus rebah di pelukan
Who is unsheathe, fall in a hug
誰が深く立ち込める霧をかき消したのか

Lai lai lai lai lai lai lai lai lai lai lai

Bisakan jelita luruh kuasa
How can a beauty lost its power
どうして美女(女王)は力を失ったのか

Lai lai lai lai lai lai lai lai lai lai lai
Terpukau hatinya demi sakti kurnia
Her hear charmed with his natural magic (mu'jizat) (in Islam we don't call magic, it is call mu'jizat)
彼女の髪は 彼の魔法で美しく飾られた

Laksana terkatam tiada diilham
Like ended without any idea
何も考えずに終わったかのよう

Segala ternyata hanya sekelip mata (Syahadah!)
Everything was realized within a blink (shahadah)
すべてが瞬く間に叶えられた(信仰を告白せよ!)

Terpedaya istana kaca
The glass castle was influenced
スレイマン王のガラスの城は 女王の脚を水面のように映し

Terkesima kata mulia
Surprised with good word
(女王はスレイマン王の)美辞麗句に驚き

Seribu utusan
Thousand of messenger
千人の預言者

Mahkota hiasan
Decorated tiara
美しい王冠

Membingkis berita
Bringing a news
使いが知らせを持って来た

Damaikan dua kota
Peace! on the both city
平和が双方の街に訪れた

Agungnya suara sucinya sang cinta
Great voice of a neat love
偉大なる神の愛に満ちた声

Bertemu di alam pesona
Meeting in the world of charm
この美しき世界で出会い

Bersatu di dalam cahaya
Gathering in the light
聖なる光のもとに集まった

Semilah permata kashinya
Glow! the diamond of love
瞬きよ 愛の宝石よ

Di puncak singgahsana (Syahadah!)
On the pinnacle of the castle
スレイマン王の城の頂点で シャハーダせよ!
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【Notes】

シャハーダ(信仰告白)はイスラム教の五行のひとつである。「アッラーフ(神)の他に神はなし。ムハンマドはアッラーフの使徒である。」とアラビア語で唱えること。
ムスリム(イスラム教徒)の前で、多くの場合はモスクにおいて宗教指導者の前で、アラビア語でこれを唱えることが、ムスリムとなる最低限の条件である。
シャハーダさえ行えば、その瞬間からムスリムとして認められ、イスラム共同体(ウンマ)の中に迎えられる。

【イスラム教の五行】
1.シャハーダ(信仰告白) Syahadah
2.サラート(礼拝) Salat
3.ザカート(喜捨) Zakat
4.サウム(断食) Puasa/Saum
5.ハッジ(聖地メッカ巡礼) Haj/Haji ・・・ワシら異教徒はメッカに入れません



いかがでしたか?

イスラム圏、特にマレーシアやインドネシアはポップ音楽にコーランのエピソードを引用して載せることがよくあり、かの国の人々は歌を通してイスラムの教えをよく噛み締めているのだなぁと感心したものです。



ところで我らが日本の神道や仏教には、こうした宗教的な歌、キリスト教におけるゴスペルに当たるような歌が無いのはなぜでしょうか?

どなたかご存知の方いませんか?



確かタイやビルマなどの小乗仏教では、僧侶が楽器を奏でたり歌ったりするのは戒律に反するのだそうな。

あるビルマ人が、「ビルマの竪琴」の映画を見て、水島上等兵が剃髪して出家したにも関わらず、まるで俗人のように竪琴を奏でる場面で困惑したそうです。



とにかく、日本人には馴染みの薄いイスラムへのとっかかりとして、Balqisの鑑賞をお楽しみ下されば幸いです。

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